いまやプログラミングが小学生から高校生まで必修となり、2025年には大学受験にも出題されるまでに至りました。
とは言え、小学校では「プログラミング」という新たな科目が授業として増えるわけではありません。
小学校では、「算数」や「理科」などの授業の中でプログラミングが取り入れられます。
保護者様ご自身が小学校に通っていたころに「プログラミング」はありませんでしたね。
そんな環境から180度も違う教育環境に戸惑いもあると思います。
「プログラミングって難しいんじゃない?」「うちの子は理解できるのかしら?」
もしも、子どもからプログラミングについて聞かれたらどうしよう!
そこで、親子で学べるプログラミングにおすすめの教材の紹介と学習するメリットをお伝えします。
小学生から始めるプログラミングにおすすめの教材と学習のメリット!
プログラミングってなぁに?
まずプログラミングとはどういうことなのかを簡単に説明させていただきます。
パソコン(スマホやタブレット)に、「こんな風に動いて!」とお願いすることなんです。
簡単に言いすぎましたが、
スマホアプリにある〇〇payなどは、買い物で精算するときにレジで「支払う」ボタンをタップするとバーコードを表示してくれます。
あれもプログラミングなんです。
また表示されたバーコードをピッと読み込んで支払の手続きをするのもプログラミングなんです。
こうして動くようにプログラムすることを、プログラミングするということです。
小学生がプログラミングを学習するメリットについて
小学生からプログラミングを学ぶ意味はあるのでしょうか?
では、小学生からプログラミングを学ぶメリットについて紹介します。
プログラミングは絶対に必要になるスキル
プログラミングは、これから絶対必要になるスキルと言っても過言ではないです。
なぜなら、社会は今後どんどんIT化が進化していくからです。
いや、IT化に関係なく絶対に必要なんです。
特に必要な部分は、プログラミンング言語を覚えることよりも「思考プロセス」になります。
プログラミングは”「こんな風に動いて!」とお願いすること”と言いました。
やたらめったら思いつくままにプログラミングしてしまうと、実は思ったように動作しなくなります。
あらゆる事を想定し最適に動作する方法を考えてプログラムを作り上げます。
この方法を考えることが「思考プロセス」になります。
実はプログラミングに限らず「思考プロセス」は、社会人にとって大事なスキルです。
思考プロセスを身に付けるにはプログラミングは最適な方法です。
情報技術の活用に関する知識の必要性
情報化社会と言われて久しいですが、実際にどんな社会だと思いますか?
モノやお金に変わって、知識や情報に価値が置かれ、その知識や情報が社会や経済に影響を及ぼす社会です。
もう少し具体的に言うと、
ある情報のやり取りだけで、仕事が進んだりモノを買ったり売ったり、しかも世界中のどこにいてもそのやり取りが可能になります。
ただし、情報を扱う知識と技術が無いとできません。
例えば、子どもはスマホを使ってゲームをしているうちに交流サイトで見知らぬ人と出会い犯罪に巻き込まれることもあります。
だからと言って、すべてに「No」を突き付けて何もさせないというわけにはいきません。
プログラミングは、何をどうするのか「動いて欲しい」ようにお願いします。
理屈を理解すれば、アプリを操作している段階でその先を読み解くことができます。
怪しいと感じ取れるようになるんです。
もちろん、親が事前にネットの危険性を伝えておくことも重要ですよ。
知識を正しく使えば、自己防衛にもなるし友達にも伝えられるし、大人になれば社会貢献にもつながります。
アイデアを形にする武器になる
子どもには、いろいろと夢があります。
一晩で180度違う夢に変わってしまう子もたくさんいますが(笑)
テレビなどの情報番組で子どもが将来なりたい職業ランキングが放送されることがあります。
1位はスポーツ選手、2位は教員、3位は漫画家・イラストレーターさんだそうです。※
でも、実際には会社員になる人や親の家業を継いだりする人がほとんどではないでしょうか。
そんななか、夢を実現できなくとも大人になるまで、もしくは大人になってから経験してきたことからアイデアが蓄積され、それを実現することができます。
実現の手段の一つがプログラミングになります。
突然、大人になってからプログラミングを学ぶよりも小学生から学んでおけば、アイデアを実現するスピードは違います。
管理人自身、22歳からプログラミングを始めた時に感じたのは、もっと早くプログラミングを学んでおけばよかったと実感しました。
仕事で得た経験から、どうしたらもっと使い易く簡単に処理できるかを考え試行錯誤しながらプログラムを作成していました。
経験値が浅くスキルもないので、無駄なコードを書きまくり、より一層処理時間が掛かる使えないアプリを何本も作ってました。
このことから「思考プロセス」の重要性を嫌と言うほど思い知らされました。
小学生から始めるプログラミング おすすめ教材の紹介
まずは、無料で始められるプログラミング言語を紹介します。
世界中で使われている子ども向けのプログラミング言語のScratch(スクラッチ)です。
Scratchはブロックを並べるだけで高度なプログラミングができる
Scratchはアメリカのマサチューセッツ工科大のメディアラボで作られた子ども向けのビジュアルプログラミング言語なんです。
ブロックを並べていくだけで高度なプログラミングが実現できます。
基本的にツールをダウンロードすることなく、webブラウザからアクセスするだけで始められます。
アカウントを作成すれば、自分で作ったプログラムを保存でき、他の人に公開することもできます。
もちろん、他の人のプログラムを見たり遊んだりすることもできます。
アカウントの作成方法は、こちらの記事を参考にして下さい。
公式URL: https://www.scratch.mit.edu/
対象年齢:8歳以上
価 格:無料
対応プラットフォーム:windows/Mac
Viscuit(ビスケット)は絵を描いてプログラミングができる?!
Viscuit(ビスケット)は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が開発したビジュアルプログラミング言語です。
一番の特徴は絵を描いてプログラミング行うことです。
まず、お花や動物などなんでもいいので好きな題材の絵を描きます。
※一応、金魚のつもりで描いてみました。
描いた絵(部品)をステージと言う場所にドラッグ&ドロップで移動させます。
次にメガネというツールに絵(部品)を入れます。
メガネの左レンズ(Before)と右レンズ(After)に部品を入れると、ステージに移動した絵(部品)が動きます。
これらを駆使してゲームを作ることもできます。
初めて使う方はこちらの記事を参考にして下さい。
公式URL:https://www.viscuit.com/
対象年齢:5歳以上
価 格:無料
対応プラットフォーム:windows/Mac WEBアプリ版(Android/iOS)
Code.orgならマイクラやアナ雪の世界観でプログラミング学習できる
非営利団体のCode.orgが運営する無料のプログラミング学習サイト「Code Studio」。
プログラミングをじっくりと学べる20時間コースなど様々なコンテンツが用意されています。
まず、はじめは「Hour of Code」(コードの時間)というコンテンツです。
こちらは、「マインクラフト」や「アナと雪の女王」や「スターウォーズ」などの世界でプログラミングを学習できるコンテンツが用意されています。
「マインクラフト」は解説動画も流れるので見ながら感覚で覚えられますね。
これが無料でできるんです。
公式URL:https://studio.code.org/
対象年齢:6歳以上
価 格:無料
対応プラットフォーム:windows/Mac/Android/iOS
ここまで、3つの無料教材サイトを紹介しました。
興味のあるサイトで始めてみて下さい。
だたし、課題もあります。
そう簡単にできるわけではありません。
せっかく興味を持って取り組んでも、子ども一人だけで進めていくには限界があります。
プログラミング はじめて学ぶ小学生にどうやって学習させるか
ここまで、無料の学習教材サイトを3つ紹介しました。
しかし、小学生の子どもがプログラミングを学習していく上で、どのように進めていけばいいのでしょうか。
そこには2つの必要な要素があります。
- 学習の目的をもたせる(ゲームを作りたいでもOK!)
- 学習環境を整えてあげる(わからないところを助けてあげる)
この2つをクリアしながら学習を進めていかないと学習のモチベーションが下がってしまいます。
プログラミング学習の目的を持たせること!
友達もプログラミングを始めたし面白そうだから自分もとりあえずやってみたい、などという理由ではじめると続きません。
まず、プログラミングを学ぶ目的を持つことが大事です。
- ゲームを作ってみんなに遊んでもらいたい!
- 夏休みの自由研究として、プログラミングを学んでみたい!
- 自分が困っていることを解決してくれる
プログラミングでゲームを作る
ゲームを作るなんて遊びじゃないの!と思われますね。
大人は、ゲーム=遊びという認識がある方もいます。
ですが今やゲームも立派な産業として成り立っています。
子どもに人気の「あつまれどうぶつの森」はゲームでありながら、ビジネスとして成立しています。
ゲームで遊ぶ側から、ゲームを楽しんでもらう側になることは、プログラミング力だけじゃなく、創造力やコミュニケーション力なども必要になります。
どんなゲームなのか(=創造力)
ゲームを利用した人の感想を聞いて何がよくて何が悪かったのか(=コミュニケーション力)
将来、クリエイターとしての成長も期待できます。
といいつつ、いきなり壮大なゲームを作ることはできません。
単純なゲームを幾つか作りながら、複雑なことにチャレンジしていけばいいんです。
積み重ねが大事になってきます。
夏休みの自由研究課題としてプログラミングを学習する
夏休みの短期間で自由研究課題として取り組んでもいいでしょう。
短期間だけでも、プログラミングを経験することで得られることがあります。
まずは、夏休みの宿題「自由研究」をクリアできます!
そして、学習することで得られる効果は、物事の捉え方と解決する考え方が身に付きます。
プログラミングは、問題と課題を解決するために、どうやって進めていくのが正しいのかを学べます。
いわゆる、論理的思考(ロジカルシンキング)、思考プロセスを鍛えられます。
問いに対する回答を考えることになります。
回答は、自分の主張と「なぜそう考え回答に至ったのか」という理由が明らかになります。
夏休みの短期間にプログラミングを学習すると、2学期以降に算数や理科など考える問題に対してロジカルに考えるようになるかもしれません。
プログラミングで自分が困っていることを解決!
小学校では、国語や社会科など暗記で覚えるものが多くあります。
国語なら漢字の読み、社会科なら47都道府県名称など、簡単な内容をプログラミングをすることで学習内容を理解し覚えることができます。
例えば、
世界の都市名から国名を答えるプログラムを作ったり、漢字の画数をあてるプログラムを作ったりすることができます。
プログラミングをする目的がはっきりしていると、進むべき方向がわかっているので、学習しやすくなります。
プログラミングを学習する過程で、子どもは次の事を学びます。
・理論的な思考でプログラミングを行う
直感的な考え方ではなく、正しいプロセスで処理することでプログラムが動作します。
正しいプロセスにたどり着くまで試行錯誤を繰り返すことで、数学の公式のような解答を導くために順番に計算する論理的思考力がアップします。
この論理的思考力を身に付けることは、物事を矛盾なく組み立てる力になり、課題・問題を解決力にむずび付きます。
学習環境を整えてあげましょう
小学生の子どもが独学でプログラミング学習を進める環境を整えましょう
そもそも小学生から難易度の高いプログラミング言語を習得することが目的ではありません。
“ゲームを作る”・“自分の困りごとを解決する”と言う目的でプログラミングを学習するということは、結果的に論理的な思考力を身に付けることを意味します。
この思考力は、数か月程度の学習で身に付くわけではないため、低学年から学習を始めるのが理想です。
小学校の授業でプログラミングを用いて、算数なら正方形を作成する方法や理科なら電気を点灯する方法などを学びます。
子どもが独学でプログラミングを学習するなら、わかりやすく学校やプログラミングスクールなどで扱っているビジュアルプログラミング言語がお勧めです。
ビジュアルプログラミング言語とは
プログラミングにおいて、コンピュータに命令をするために、コンピュータにわかる言語で
記述しなければなりません。
学習するために、開発された言語があります。
特に小学生レベルで習得できるように、パズルを組み合わせるような見て理解できる言語があります。
それがビジュアルプログラミング言語です。
小学生が学習しやすいビジュアルプログラミング言語は複数存在します。
・Scratch(スクラッチ)
・VISCUIT(ビスケット)
・Springin'(スプリンギン)
・Blockly(ブロックリー)
代表的なものだけでこれだけあります。
最も代表的なのは、Scrtach(スクラッチ)です。
小学生向けのプログラミングスクールだけでなく、世界各国で使われています。
ですが、プログラミング学習のたびに子どもをサポートするのは時間的に難しいこともあります。
特にScratch(スクラッチ)は、関連書籍も多く出版されています。
親子で進めていけるように、はじめてでも丁寧に解説されていますので、
ぜひ一緒に取り組んでみましょう。